
深夜0時を過ぎたスーパーには、昼間とは違う時間が流れています。
漫画「満ちるまで雨宿り」は、そんな24時間営業のスーパー「ハピフル」を舞台にした、大人の淡い恋と小さな人間ドラマを描いた作品です。
夜間主任として働く梢さんが想いを寄せるのは、同期入社の高野くん。
仕事では息ぴったりの二人ですが、梢さんにとって高野くんは、いつしか「気の合う同期」だけではない特別な存在になっていきます。
派手な展開ではなく、何気ない日常の中にある「分かり合える嬉しさ」を丁寧に描いているのがこの作品の魅力。
この記事では、「満ちるまで雨宿り」のあらすじや見どころを軽いネタバレありでご紹介します。
※この記事には作品の内容に関する軽いネタバレを含みます。
満ちるまで雨宿り 基本情報
- 作者:鈴木望
- 出版社:シーモアコミックス
- 掲載:ソワリネ
- ジャンル:ヒューマンドラマ / 恋愛
満ちるまで雨宿り あらすじ
舞台は、24時間営業のスーパー「ハピフル」。
24時を過ぎた店内には、昼間とは違う静かな空気が流れています。
そこで夜間主任として働くのが梢さん。昼夜逆転の生活は大変ですが、梢さんは夜のハピフルと、そこで働くことを気に入っています。
そんな梢さんのそばにいるのが、同期入社の高野くん。現在は高野くんのほうが立場は上ですが、長く一緒に働いてきた二人は、仕事でも息ぴったりのいいコンビです。
ところが、そんな高野くんを梢さんは少しずつ意識するように…。
夜のスーパーを訪れる人々の小さな物語とともに、梢さんと高野くんの関係もゆっくりと変化していきます。
大きな出来事ではなく、日常のささやかな瞬間を丁寧に描いた、優しくて心温まる作品です
梢さんはどうして高野くんを好きになった?
梢さんが高野くんを意識するようになったきっかけは、惣菜部時代のメニュー開発アンケートでの評価でした。
誰が作ったか分からない状態で評価したにもかかわらず、高野くんは梢さんが作ったものすべてに満点をつけていたのです。
自分が考えたものを純粋に評価してもらえたことが嬉しかった梢さん。そこから、「もしかしたら高野くんとは感覚が近いのかも」と感じるようになります。
実際、二人は不思議なくらい考えることが似ています。
- 雨が降ったときに「雨の匂いがする」と感じた
- 雨の中で保護したおばあさんを「ここで雨宿りできてよかった」と思った
- 残業後に賄いを勧められたとき、「日勤の人の分をもらうのは申し訳ない」と言った
- お酒は手酌ではなく、注ぎ合う方が美味しい
- 入社時の配属希望3つが全部同じ
こうした小さな「同じ」が積み重なって、高野くんは梢さんにとって特別な存在になっていきます。
派手なアプローチではなく、「この人とは感覚が合う」と感じることから始まる二人の恋。大人同士なのにどこか初々しい、可愛らしい片想いが魅力です。
梢さんと高野くんの関係が心地いい
梢さんと高野くんは、同期入社の間柄。現在は高野くんのほうが立場は上ですが、二人の間には変に気を遣うようなところがなく、自然体で一緒にいられます。
仕事ではお互いの考えていることがなんとなく分かり、息もぴったり。長く同じ時間を過ごしてきたからこその安心感があります。
そして二人の魅力は、何気ないところで感覚が重なること。
同じものを見て、同じようなことを感じる。そんな小さな共感が積み重なっているからこそ、一緒にいることが心地いいのでしょう。
だからこそ梢さんにとっては、今の関係を壊してしまうのが少し怖いのかもしれません。
「好き」という気持ちが芽生えても、今まで通り高野くんと笑って仕事をしたい。
そんな梢さんのもどかしさも、この作品の可愛らしいところです。
恋人になる前から、すでに相性の良さが伝わってくる二人。ゆっくり進んでいく大人の恋を、そっと見守りたくなります。
深夜のスーパーでの小さな人間ドラマ
「満ちるまで雨宿り」の魅力は、梢さんと高野くんの恋愛だけではありません。
深夜のハピフルには、昼間とは少し違った事情を抱えたお客さんたちが訪れます。
雨の夜に家から迷い出てしまったおばあさんや、愛犬の「団子ちゃん」を連れて高級肉とお酒を買いにやってくる女性など、印象に残る人々との出会いも描かれます。
「こんな時間に、なぜこの人はスーパーに来ているんだろう?」
そんな素朴な疑問の先に、それぞれの事情や日常が見えてくるのが面白いところ。
派手な出来事が起こるわけではありませんが、夜のスーパーという場所だからこそ生まれる、小さな人間ドラマがあります。
梢さんたちスタッフの優しさにもほっとさせられ、恋愛とはまた違った温かさを感じられるエピソードも魅力です。
梢さんの過去には何がある?
物語を読んでいると、梢さんの過去について気になる描写があります。
幼い頃の梢さんが父親とスーパーを訪れている場面では、父親が店員に対して少し横柄な態度を見せています。その記憶を思い出した梢さんの表情は、どこか暗いものでした。
さらに、高野くんと夜勤明けに飲みに行った際、夜間部を志望した理由を聞かれても、梢さんはなぜか言葉を濁します。
なぜ梢さんは夜間部で働くことを選んだのでしょうか。そして、幼い頃のスーパーでの記憶には、どんな意味があるのでしょうか。
まだ詳しくは語られていないからこそ、梢さんの過去には何か理由があるのでは……と気になります。
現在の明るくて周囲を気遣う梢さんの姿と、過去に見せる少し沈んだ表情。
その違いにも注目しながら、今後明かされていくであろう梢さんの背景にも期待したいところです。
満ちるまで雨宿り 見どころ
「満ちるまで雨宿り」の見どころは、なんといっても梢さんと高野くんの、ゆっくり進んでいく恋模様です。
二人はアラサー同士の社会人。仕事では息ぴったりなのに、恋愛となると少し不器用。
お互いに「感覚が合う」と感じられる関係だからこそ、今の心地よさを大切にしたい梢さんの片想いが、なんとも可愛らしいです。
そして、舞台となる深夜のスーパー「ハピフル」の空気感も魅力のひとつ。
夜に働く人や、夜だからこそ訪れるお客さんたちの日常が丁寧に描かれていて、読んでいるとこちらまでハピフルの店内にいるような気分になります。
絵もきれいで見やすく、落ち着いた物語の雰囲気にぴったり。
派手な展開よりも、日常の中にある小さな幸せや、人と人とのささやかなつながりを楽しみたい人におすすめです。
仕事や日々の生活に少し疲れているときに読むと、ハピフルの優しい空気に包まれて、心がふっと軽くなる。
そんな温かさを感じられる作品です。
まとめ
この記事では、「満ちるまで雨宿り」のあらすじや見どころを軽いネタバレありでご紹介しました。
「満ちるまで雨宿り」は、深夜のスーパーというちょっと変わった舞台で、アラサー男女の可愛らしい片想いと、そこに集まる人々の小さな物語を描いた作品です。
梢さんと高野くんは、何気ないところで感覚が重なる「似た者同士」。だからこそ、二人の距離が少しずつ変化していく様子には、思わずニヤニヤしてしまいます。
一方で、夜のハピフルを訪れるお客さんたちのエピソードや、梢さんの過去など、恋愛以外にも気になる要素が散りばめられています。
疲れたときに、ゆっくり読んでほっとしたい。そんな気分にぴったりの『満ちるまで雨宿り』。
優しい恋愛漫画や、温かな人間ドラマが好きな人におすすめしたい一作です。
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