
『ホタルの嫁入り』がついに最終回を迎えました。
78話までの流れから、紗都子の死や、進平が想いを抱えたまま生き続ける結末を覚悟していた読者も多く、予想外のハッピーエンドに安堵と感動の声が広がる一方で、「なぜこの結末になったのか」「少し都合が良すぎるのでは?」といった疑問の声も見られます。
この記事では、最終話の描写や読者の反応を整理しながら、『ホタルの嫁入り』がこの結末にたどり着いた理由について考えていきます。
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※この記事は『ホタルの嫁入り』79話(最終回)のネタバレを含みます。未読の方や、これから読みたい方はご注意ください。
ホタルの嫁入り なぜハッピーエンドに?
『ホタルの嫁入り』の最終回がハッピーエンドだったことに、驚いた読者は少なくありません。
作品タイトルから連想される「儚さ」や、これまで描かれてきた重く痛みを伴う展開から、多くの人が悲劇的、もしくは余韻を残すビターな結末を予想していたためです。
実際、78話では紗都子が命を落としたかのような描写が強く、読者の間でも「覚悟した」「これは救いのない終わり方になるのでは」といった声が目立っていました。
その流れを受けての最終話での再会、そして穏やかに寄り添うラストは、まさに“予想を裏切る結末”だったと言えます。
一方で、このハッピーエンドに対しては、「感動した」「本当によかった」という声と同時に、「無理に幸せな結末に修正したように感じる」「後付けの展開ではないか」という意見も見られました。
特に、紗都子が実は生きていたという事実については、物語の雰囲気やタイトルイメージと合わないと感じた読者もいたようです。
では、この結末は本当に“方向転換”だったのでしょうか。
それとも、『ホタルの嫁入り』という物語が、最初から目指していた終着点だったのでしょうか。
この疑問を考える上で重要なのが、二人が再会するまでに長い時を必要としたことと、最終話で描かれた再会のあり方です。
次は、進平が紗都子と再会するまでの時間に込められた意味について掘り下げていきます。
ホタルの嫁入り なぜすぐ再会できなかった?
最終話で特に印象的なのは、進平と紗都子がすぐに再会しなかった点です。紗都子は生きていたにもかかわらず、進平はその事実を知らないまま、何十年もの時間を一人で生きることになります。
この展開に対しては、「もっと早く知らせてあげてほしかった」「二人で過ごす時間を見たかった」という声も多く見られました。
確かに、光春の財力を考えれば、進平を探し出すことは不可能ではなかったはずです。
しかし物語として見ると、この“長い空白の時間”には明確な意味があったように思えます。
進平はこれまで、多くの命を奪い、感情を置き去りにするように生きてきた人物でした。自分が犯してきた行いと正面から向き合うこともなく、ただ生き延びるために刃を振るってきた存在です。
そんな進平が、紗都子を失ったと思い込み、無気力なまま長い時間を生き続ける。
何度も生きることをやめようとしながらも、必死に「生きたい」と願っていた紗都子の姿を思い出し、そのたびに踏みとどまる――。
この時間は、進平自身が「生きる」ということと向き合い続けるための時間だったのではないでしょうか。
作中で進平は、旅をしながら人を助けることを「贖罪のため」だとは語っていません。
けれど結果として、最愛の人を失った悲しみや喪失感を抱えながら生きる年月は、進平が過去に奪ってきたものの重さを、嫌というほど実感する時間になっていました。
だからこそ、再会はすぐには訪れなかった。
ハッピーエンドでありながらも、決して軽くは終わらせないための、必要な時間だったように感じられます。
ホタルの嫁入り 再会シーンに込められた様々な意味とは?
進平と紗都子が再会する場面では、もうひとつ印象的な演出があります。それは、二人が再会した瞬間、年老いた姿ではなく、かつての若い姿で描かれている点です。
この表現について、「本当に若返ったのか?」と戸惑った読者もいるかもしれませんが、実際には比喩的な演出と考えるのが自然でしょう。
長い別れの間、止まっていた二人の時間が、ようやく動き出したことを示しているように見えます。
進平にとって、紗都子と別れた瞬間から、人生はずっと色を失ったままでした。
生きてはいるけれど、心はあの場所に置き去りにされたまま。
再会の瞬間に若い姿へと戻るのは、気持ちがあの頃と変わっていないこと、そして再び“生きる時間”が始まることの象徴なのではないでしょうか。
さらに印象的なのが、再会後の紗都子の言葉と仕草です。
紗都子は進平に向かって、自分の愛は少し重いかもしれないけれど「幸せにします」と告げ、手を取って微笑みます。
この言葉と動作は、物語の始まりで進平が紗都子に向けて行ったものと、完全に対になっています。
進平が「本当に紗都子?」と現実を信じられずにいる中で、同じ言葉と仕草を返すことで、紗都子は「あの時と同じ私だ」と示しているのです。
この構造を見ると、最終話のハッピーエンドは決して後付けの救済ではなく、物語の最初から用意されていた着地点だったとも考えられます。
タイトルの持つ儚さや、重いテーマを抱えながらも、最後に描かれたのは「それでも生きて、愛し続ける」という静かな肯定でした。
賛否は分かれる結末ではありますが、だからこそ、『ホタルの嫁入り』という作品らしい余韻を残したラストだったのではないでしょうか。
まとめ
この記事では、最終話の描写や読者の反応を整理しながら、『ホタルの嫁入り』がこの結末にたどり着いた理由について考えていきました。
最終回については、
感動した人・違和感を覚えた人、それぞれの読者の感想をまとめた記事もあります。
▶︎『ホタルの嫁入り』感動?違和感?読者の感想まとめ
『ホタルの嫁入り』最終回は、ただの奇跡やご都合主義ではなく、進平の人生と向き合いの果てにたどり着いた、静かで力強い結末でした。
長い別れの時間があったからこそ、再会の一瞬がより深く心に残る――。
賛否を呼ぶラストではありますが、それもまた、この物語が描いてきた「生きることの重み」と「愛のかたち」が、読者一人ひとりに問いかけている証なのかもしれません。
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