
「この子、ただの女子高生じゃない。」
法で裁けぬ悪を、静かに、確実に“処刑”していく謎の少女・スピカ。
漫画『罪と罰のスピカ』は、彼女が持つ“心を読む力”を武器に、偽善と欺瞞に満ちた人間たちを暴き、独自の「罰」を下していく連作サスペンスです。
この記事では、コミックス5巻までに描かれた全エピソードを事件ごとに整理し、あらすじ・犯人・真相、そしてスピカの“裁き”の意味まで【完全ネタバレ】でまとめています。
これから読む人も、内容を振り返りたい人にもおすすめです!
「この事件、どう決着するのか…?」
そう思った方は、ぜひ本編でスピカの“裁き”を見届けてください。
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ここから先はネタバレを含みます!未読の方はご注意ください!
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罪と罰のスピカ 羽鳥編
(1巻 第1話~第3話)
高校教師の羽鳥は、受け持ちのクラスで都麦澄光(つむぎすぴか)という生徒がいじめを受けていることに気づきます。
ある日の夕方、羽鳥はパパ活の現場にいるスピカを偶然目撃し、彼女を助けようと近づきます。しかしその直後、スピカは相手の男性を駅のホームから線路へ突き落とし、命を奪ってしまいます。返り血を浴びたスピカは、呆然とする羽鳥に向かって静かに微笑みました。
羽鳥には忘れられない過去がありました。かつて教え子を自殺で失った苦い記憶です。同じ悲劇を繰り返したくない一心で、羽鳥は警察に「事故でした」と嘘の証言をします。
ところがスピカには触れた相手の心が読める特殊な能力があり、羽鳥の嘘が自己保身から出たものだと見抜いてしまいます。さらに彼女は、羽鳥こそが過去に教え子を殺害した張本人だと言い放ちます。
追い詰められた羽鳥は、除草剤を混ぜたコーヒーでスピカを始末しようと企てます。しかし能力ですべてを察知していたスピカは、あらかじめ中身をすり替えていました。
羽鳥は自分の用意した毒を飲み、そのまま息を引き取ります。遺書には過去の殺人について記されており、事件は自殺として処理されました。
羽鳥は“善人に見えて実は悪”だったという驚き。そしてスピカは救いではなく“罰”を与える存在。 このエピソードで、スピカは一気に“ただの女子高生ではない”と思い知らされます!
罪と罰のスピカ 13年前の母子殺人事件編(最後の仕事)
(1巻 第4話~2巻 第9話)
元刑事の大隈は、13年前に起きた未解決の母子殺人放火事件を、定年退職後も執念深く追い続けていました。容疑者は、当時の被害者である妻子の夫・亜仁多守(あにたまもる)。しかし確たる証拠はなく、事件は迷宮入りのまま。
そんなある日、大隈の行きつけのカフェに、スピカがアルバイトとして現れます。大隈から未解決の母子殺人放火事件について聞いたスピカは亜仁多に接触を試みます。
しかし亜仁多に触れた瞬間、「この人は犯人じゃない」と確信。スピカの能力が導いた真犯人は、かつての亜仁多の下の階の住人で、現在は人気アイドルとなっていた山口ネコでした。
スピカは山口の自宅に忍び込み、睡眠薬を盛った後、火を放ちます。山口はそのまま焼死。スピカは彼女に“母子を焼いた罪”を、同じ方法で返したのです。
大隈はスピカの正体と行動に気づきますが、病に倒れ、真相を語ることはできず、元同僚の目暮に走り書きのメモだけを残して息を引き取ります。
大隈にとってこの事件は、刑事として人生最後まで追い続けた“最後の仕事”でしたが、スピカを告発することが本当の最後の仕事となりました。大隈が命をかけて目暮に託したメモがスピカの立場を危うくしそうです。
罪と罰のスピカ タクシー運転手編
(2巻 第12話~3巻 第19話)
タクシー運転手の矢崎吾郎は、何十年にもわたり乗客を殺害し、遺体を山中に埋め続けてきた連続殺人犯でした。 その犯行には一切の動機も感情もなく、ただ淡々と命を奪い続ける“無名の殺意”がそこにありました。
やがて認知症を患い、記憶が曖昧になった吾郎のもとへ、スピカが介護ボランティアとして接近します。彼女は吾郎に触れ、彼の心の奥底に眠る“殺意の起源”を探ります。
当初は「ハンドルを握る」ことが殺意のトリガーだと考えられていましたが、スピカはやがて、幼少期のトラウマに結びついた“黒電話”こそが引き金だったことを突き止めます。
吾郎の母親は、一回り年下の男性と不倫関係にあり、ある日、黒電話のコードでその男に絞殺されていたのです。 その記憶が、吾郎の中で“殺意の原型”として深く刻まれていたのでした。
スピカはその記憶を呼び覚まし、吾郎に自らの罪と向き合わせた上で、精神を追い詰め、窒息死へと導きます。 ただ命を奪うのではなく、「罪の記憶」を突きつけた上で精神を崩壊させる――それがスピカの“残酷で徹底した裁き”でした。
事件後、スピカは吾郎が保管していた殺人の証拠品を警察に送りつけ、長年闇に葬られていた事件の全貌を白日の下にさらしました。
何の迷いもなく淡々と殺害を繰り返した犯人と、自分の家族を守るためであっても一線は超えられなかった妻。やっぱりシリアルキラーは本質から普通の人とは違うんだと思い知らされます。
罪と罰のスピカ 死の婚活編
(4巻 第21話~第28話)
十秤天真(とはかりてんま)は、シリアルキラーに強い憧れを抱く高校生。自分も“殺人鬼”だと信じて疑わないが、実際は素直で優しい少年。
そんな彼が、獄中の連続殺人犯・野菅瑠姫愛(のすが・るきあ)と文通を始め、面会を重ねるうちに、次第に彼女に惹かれていきます。
一方、十秤の叔父である刑事・南爪(なつめ)は、スピカの周囲で起きる不審な事件に目をつけ、彼女の正体に疑念を抱き始めていました。
そんな中、スピカは十秤が瑠姫愛に近づきすぎていることを心配し、瑠姫愛の周辺で起きた不審死について独自に調査を開始。 表向きは「夫を次々と殺した悪女」とされていた瑠姫愛でしたが、真犯人は彼女の実弟・風巳(かざみ)であることが明らかに。
一見、風巳は「姉を守るために殺した」かに見えましたが、その実態はまったくの逆。 彼は姉のためという“正義”を装いながら、殺人を「良いこと」だとすり替え、報酬(遺産や保険金)を得ることに快感を覚えていたのです。 つまり、すべては自分の欲望を正当化するための歪んだ論理でした。
スピカは風巳に接触し、合成麻薬を用いて精神を錯乱させます。 そして風巳は幻覚を見ながら自らビルから飛び降り命を絶ちました。
クライマックスでは、十秤が瑠姫愛へ送る一通の手紙が、彼女の心を静かに救います。この場面は“説明の言葉”ではなく、手紙の文面と、瑠姫愛の表情だけで感情が描かれる圧巻の演出。ネタバレを知っていても「これは漫画で読まないともったいない」と思わせるほどの余韻があります。
死の婚活編は4巻で読めます
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罪と罰のスピカ 夏休みのスピカ編
(※コミックス5巻より開始~)
スピカは夏休み、山奥のロッジでアルバイトを始めます。
しかしその場所に集まっていた従業員や宿泊客たちは、“ある人物”から指示をうけており、次第に互いを疑い、命を奪い合う殺戮劇へと発展していき――。
このエピソードでは、スピカの過去がついに明かされます。シリーズ最大の転機ともいえる重要な章です。現在はコミックス5巻で物語が進行中。
夏休みのスピカ編は【コミックス5巻】から読めます!
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まとめ
この記事では、コミックス5巻までに描かれた全エピソードを事件ごとに整理し、あらすじ・犯人・真相、そしてスピカの“裁き”の意味まで完全ネタバレでまとめました。
スピカは、ただの復讐者でも、正義の味方でもありません。 彼女は“心の奥底にある罪”を見抜き、それを暴き、相手に自らの罪を突きつけることで、逃げ場のない“罰”を与える存在です。
本記事では、コミックス5巻までに描かれた事件をすべて紹介しましたが、スピカの過去や“裁き”の原点が明かされる「夏休み編」は、まさにシリーズ最大の転機。
内容が気になる方は、【コミックス5巻】からスピカの裁きを体験してみてください。
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