公開当時SNSで話題になった「タコピーの原罪」。
タコピーというかわいらしい名前と、広告等で見かけるちょっと怖そうな画像にギャップがあることから、気になっている方も多いかと思います。
この記事ではそんな「タコピーの原罪」について紹介していきます。
こんな人におすすめ!
- タイムリープものが好き!
- ストーリーの伏線や考察を考えるのが好き!
- 暗いテーマの漫画でも大丈夫!
「タコピーの原罪」基本情報
- 著者:タイザン5
- 出版社:集英社
- 掲載誌:少年ジャンプ+
- ジャンル:SF・ヒューマンドラマ
- 単行本巻数:全2巻
ここから先はネタバレを含みます!ご注意ください!
↓
「タコピーの原罪」あらすじ
タコピーはハッピー星からやって来たハッピー星人。ハッピーを地球に広めるために訪れ、お腹をすかせていたところを地球人のしずかに助けられ、お礼にハッピー道具を使ってしずかをハッピーにしようとします。
しずかは家庭に問題があるうえ、壮絶ないじめを受けています。しかし悪意や暴力を知らないタコピーには理解が及ばず、見当違いな事ばかりして事態を悪化させてしまいます。
そしてある日、タコピーが貸したハッピー道具を使って、しずかは命を絶ってしまうのです。
どうしてしずかが自ら命を絶ってしまったのか分からないタコピーは、しずかが死ななくていい未来にしたいと思い、ハッピー道具を使い過去の時間に巻き戻します。しかし、何度時間を巻き戻してやり直しても上手くいかなくて…。
「タコピーの原罪」のここが面白い!
1.無知なタコピーの成長
2.交錯するしずかの世界とまりなの世界
3.ハッピーエンド?それとも…
それでは順番に見ていきましょう。
無知なタコピーの成長
タコピーがいたハッピー星には、悪意や暴力が存在しません。
タコピーのママが地球帰りのタコピーに手を叩かれた時、「叩く」ではなく「どうしてそんなに強く触るの」と表現したり、「殺すってなに?」と言っていることからも明らかです。
それゆえにタコピーは、言い争っている様子を見て「にぎやかで楽しそう」と思い、殴られたアザを見て「人間はケンカすると顔の色が変わるんだ」ぐらいにしか思えません。
そして一方的に思い込んだまま、タコピーは良かれと思って次々と行動に移してしまい、ことごとく裏目に出てしまうのです。
そんなタコピーですが、何度も失敗と過ちを繰り返す中で学び、自分が何を間違えていたのか、何が足りなかったのかに気づいていきます。
交錯するしずかの世界とまりなの世界
最初、物語はしずかちゃんから見た世界で進みますが、途中でまりなちゃんから見た世界にかわります。
しずかちゃんから見た世界のまりなちゃんは怖くて意地悪で、なんでこんな酷い事をするのかと読んでいて腹が立つほどです。
しかし、まりなちゃんから見た世界に変わると、まりなちゃんも被害者で可哀想と思えてしまうのです。
だからといって、いじめていいわけではありませんが……
最初はしずかちゃんだけに幸せになってほしいと思っていたのに、まりなちゃんにも幸せになって欲しいと思わされていきます。
ハッピーエンド?それとも…
物語は進めば進むほど状況が悪くなっていきます。悲劇的な展開が続き、とてもハッピーエンドは迎えられそうにないと思えてきます。
でも逆にいったいどんなふうに決着をつけるんだろうと気になり読むのが止められません!
しずかちゃんにもまりなちゃんにも幸せになってほしいという一心で、一気に最後まで読めてしまいます!
結末はというと詳しくは書けませんが、私は一番納得のいくエンディングが迎えられたと思います。
もちろん読み手の立場や状況によって感じ方は変わってくると思います
「タコピーの原罪」登場人物
タコピー
ハッピー星からやってきたハッピー星人。見た目はタコ。
久世しずか
小学4年生の女の子。母親からネグレクトされ、学校では酷いいじめを受けている。
雲母坂(きららざか)まりな
しずかのクラスメイトで、しずかをいじめている。両親が不仲で母親から虐待を受けている。
東直樹
しずかのクラスメイト。母親から教育虐待を受けている。
東潤也
直樹のとても優秀な兄。
「タコピーの原罪」ハッピー道具
作中で出てくるタコピーのハッピー道具一覧
パタパタつばさ
空を自由に飛べる…はずが、人間は重量オーバーで飛べない。
ハッピーカメラ
写真を撮った時に戻ることができる。
土星ウサギのボールペン
土星ウサギの声が出るボールペン。
仲直りリボン
友達と自分をリボンでつなぐと仲直りできる。
お花ピン
頭にさすと他人からは姿が見えなくなり、代わりにどくだみの花に見える。
へんしんパレット
誰かの体の一部を取り込むことで、その人に変身できる。
思い出ボックス
中に入れたものをそのままの状態で保存できる。
大ハッピー時計
時間旅行ができる。
「タコピーの原罪」まとめ
この記事では「タコピーの原罪」を紹介しました。
コミック表紙からも想像できるとおり鬱展開の連続ですが、最後まで読むとちゃんと救いがあります。
純粋すぎるタコピーの成長と決断をぜひ見届けてほしいです。
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